騎士王にクソデカ感情を抱えた奴らの聖杯そっちのけ戦争

 

劇場版Fate/GrandOrder 神聖円卓領域キャメロット Paladin;Agateramを3回見てきたオタクの感想とか、感情の吐き出し口です。ネタバレがあるので注意。

 


前編のWandering;Agateramを劇場で見た時は、映画じゃなくてテレビ放送でも良かったんじゃないかな~と正直思ってました。6章のテキスト量を映画前後編で補うのは難しいし、まあ……こんなもんか、みたいな。
そんなこんなで後編が公開され、初日は仕事なのもありTwitterの様子見て行くかと余裕ぶっこいていた。そうしたら各方々から「キャメロット後編やばい、絶対に映画館で見た方が良い」、円卓狂のフォロワさん達も「見て損はない、信じろ」と熱い言葉をもらったので休みの日にすぐに見に行った。早く見に行って正解だった。前編とは全く別物と言っていいほどの完成度、満足度の高さだった。


Fate/stay nightからZero、その他派生が生まれ徐々に明らかになっていくFate世界の円卓の騎士たち。彼らに重点を置いて作られた神聖円卓領域キャメロット、その後編。
騎士王アーサー・ペンドラゴンにクソデカ感情を抱いた騎士たちの聖杯、人理修復そっちのけ戦争だった。鎧の下に持て余していた騎士王への愛、敬い、憎しみ、悔い、その他罪罰贖い全部乗せを大迫力の作画と声優さんたちの熱演により脳みそに直接叩きつけられた最高の映画だった。

 

・アグラヴェインVSランスロット
キャメロットはアグラヴェイン救済の物語といっても過言じゃない。(自分調べ)
FGO6章で初めて立ち絵、声が発表された鉄のアグラヴェイン。そのアグラヴェインとの確執により円卓崩壊の引き金をひいたランスロット。この二人の対決、演出がめっちゃ良かった。

見てる側は既に6章を終えているため、アグラヴェインがどういう立場で、どんな意志を持って獅子王アーサー(ひいては騎士王アーサー)に仕えていたか分かっているわけで……。そりゃあアグラヴェインとランスロット、互いの騎士道は絶望的に反りが合わないし、同じ方向を見ていても道のりが全然違っちゃうのはしょうがないよね! となる。
聖都に乗り込んだランスロットが真っ先にアグラヴェインを探す姿に思わず拍手した。アグラヴェインを倒すのは物語的にも必須として、明らかに私情満々で探してるじゃん。良いね、引きずってるねブリテンを。
アグラヴェインのいる部屋にランスロットが乗り込む瞬間、カメラワークが早い中でよーく見るとランスロットが槍一本で兵隊たちを串刺しにするシーンがちゃんと描かれていた……よね? さすが円卓最強。
そこでまあランスロット、よりによってアグラヴェインに「同じ裏切り者」呼ばわりする。アグラヴェインからしたら「己の愛という身勝手で王を裏切ったお前に言われたくねえよ」ですよ、炎の中で哄笑して怒るのも当然ですよ。アグラヴェインはやり方はどうであれ、彼なりに誠実に騎士王の為だけに人生を捧げたんですから。
もちろんランスロットにも信じる騎士道があり、誇るべき志があり、王を敬愛していた(ランスロットとグィネヴィアの不貞に関しては、アーサーが女性だったり一筋縄で話せないので割愛)からこそ、アグラヴェインの行いを許せない。

ここから二人の壮絶な一騎打ちが始まるんですが、この二人に限らずガウェイン、モードレッド、ベディヴィエール、トリスタンの戦いはみんな人理・聖杯そっちのけで「騎士王アーサー」によってこじれた関係の清算合戦みたくなっていて、とんでもねえ集団だ円卓!
言葉の端々に「王が聖断されたからこそ」「王の御心のままに」「王を信じて」って、行動理念のほぼ9割9分9厘がアーサー王
罪深いお人だアーサー王

二人の戦いの結末ははっきりとした描写はなく、最期に満身創痍のアグラヴェインが獅子王の元にたどり着き「働きすぎなのが卿の唯一の欠点だ」と言われ、アグラヴェインが目を閉じる場面で映画は終わる。もうアグラヴェイン救済の章と言っていい扱いでしょ、これは。ブリテンでは志半ばに死んでいったアグラヴェインが最期にアーサー王に看取られて消えていくなんて、良かったねアグラヴェイン……。

 

・ガウェインVSベディヴィエール
6章ってとにかくガウェインが堅くて強くてスマホぶん投げた記憶が。他のプレイヤーも「6章のガウェインでいきなり難易度跳ね上がった」と語り草になるレベル。その思い出そのままに映画のガウェインもラスボス級の強さと存在感だった。
ガウェインに与えられた祝福「不夜」によって彼の登場時は常に太陽が光り輝いているのですが、その演出の徹底ぶりに感動しました。一時は山の翁によって奪われた日輪も、ベディとの決戦で彼の目をさすほどに眩く昇る日輪と共に現れるガウェイン。かっこいい、でかい、強い。

そこからは走って石壁を5枚近く貫通して走るわ、素手で斧(槍?)を防いでへし折るわ、剣を素手で掴んで砕くわ。無双が止まらない、ゲームで感じた「勝てる気がしない」気持ちがスクリーン越しにまたわいてきました。
この2人が感情も露わに最後は泥臭く戦うところで、首を掴まれたベディが近くの石(瓦礫)でガウェインの頭ぶん殴る場面が大好き。どちらも忠節の騎士と名高い2人がなりふり構わず相手を打ち滅ぼそうとする気迫が伝わってくる。
ガウェインの消滅によって太陽が消え、世界の果てが夜闇に包まれるのも彼の偉大さを視覚を通して「光の存在」をまざまざと感じ、最高だった。

 

 

感情の殴り書きですが、また感情がグチャグチャになったらトリスタンとかモードレッドとかエジプト組とか山の民とかも追加します。