劇場版マクロスΔ絶対LIVE!!!!!!🍎 感想

 

10月8日仕事終わりに劇場版マクロスΔ絶対LIVE!!!!!!を見たオタクの感想とか心の叫びとか。このブログを始めたきっかけが激情のワルキューレのメサカナ記事なので、そこから色々察してもらえると嬉しいです。

以下から絶対LIVE!!!!!のネタバレ含む感想と個人の行き場をなくした感情の吐き出しです。パンフレットの内容にもガッツリ触れるのでお気をつけください。基本ハヤフレです。

 

 

 

「劇場版マクロスΔ激情のワルキューレ」でΔデビューした自分が初めてリアルタイムで触れたマクロスΔ作品が「劇場版マクロスΔ絶対LIVE!!!!!!」になりました。酷だな。

絶対LIVE!!!!!!が発表された時はタイトルとあらすじを見て

ワルキューレのライブをメインにした慰問ライブ映画かな?)

完全にLIVEをライブ(生演奏)ライブとは何? Weblio辞書

の方だと思ってわりと気軽に映画館に見に行ったのですが

LIVEがライブ(生きる・生存する)

英語「live」の意味・使い方・読み方 | Weblio英和辞書

だなんて、あまつさえその「生きる」主題がヒロインのフレイアに係ってくるって思わなくないですか?!

ウィンダミア人は短命だって言ってたけどさあ……まさかメインヒロイン、歌姫のフレイアが寿命半分の15歳で風に召されるなんて……。

Cパート含むラストシーンまで見て、絶対LIVEはフレイアの絶対生きる!みんなと一緒に!という生きた証の物語だったと突きつけられ映画館の椅子の上で脱力しました。最後まで見た後に最初から思い返せば、全部このラストに繋がっていたんですね。

加減してよ監督、タイトルでジャブ打ってるのかもしれんけど気づけなくてラストにド直球パンチで鳩尾を鋭角に殴ってくるじゃん。

 

映画の大まかなあらすじとしては、

激情本編後にウィンダミアに慰問コンサートで訪れたワルキューレΔ小隊の前に、謎の敵Yami_Q_rayらに襲われウィンダミアが制圧される。かつての天才エースパイロットマックス達に助けられ、ワルキューレΔ小隊ウィンダミアを取り戻す戦いは銀河を巻き込んだ戦いに発展していく……。

ある意味マクロスシリーズでは安定の「銀河/人類の未来をかけた戦い」でした。

しかしそれ以上に、この絶対LIVE!!!!!!はハヤテとフレイアの物語としてまとまっていたと思います。

乱暴に言えば銀河を巻き込む争いはラストシーンに持ち込む為の助走だった。かなり乱暴に言えばフレイア最期の為の演出・舞台装置・フレーバーだった。このあたりは深堀するとイプシロン財団とかYami_Q_rayとかハヤテ父とか、気になる点が多いのであえて流してハヤフレ目線で感想書きますね。

 

激情のワルキューレのオーディオコメンタリーで河森監督が「映画は△関係を抑えている~中略~フロンティアの次は△関係はいったん置いたものを作りたかった」、「ハヤテがテレビシリーズと違い初めから職業軍人として精神が安定している」的なお話をされていたので、自分はすんなりハヤテ→←フレイアの両想いを飲み込めました。アラド・カナメ・メッサーやマキナ・レイナ・ボーグ周りも激情時点であっさりめに整理されていたので。ミラージュのハヤテへの好意が憧れ故のものになったのはちょっと残念でしたが。

 

絶対LIVE!!!!!!のハヤテ・インメルマンはパンフレットで東山さんが言ったとおり「男前」で、まずはじめにフレイアの生まれた村にハヤテと訪れるところ。

ハヤテが真っすぐに「フレイアが好きだ!」て言ってくれた時にもうハヤテを好きになれたマクロス主人公の宿命が三角関係である以上、この一途さって物語冒頭で出ることがまずないじゃないですか。三角関係の中で揺れ動いて最後にその感情の方向を決めるようになるので。でもここで三角関係の禁じ手に近い主人公の好意の方向を明確化することで、自分はストレスフリーになったしハヤテを好きになれました。主人公を好きになると心が楽になる。(三角関係ダメならマクロス見るなよって突っ込みは甘んじて受けますが、今までミンメイやイシュタル、ランカが好きなのでそこも加味して許して)

 

「りんごの花はね、10日間しか咲かないんよ。それでもいいんかね?」

というフレイアの問いかけにも「好きだ!」と返せるハヤテ、潔い、好感度が上がる。浮つかない主人公の安定感よ。

物語の進行と同時に悪化するフレイアの結晶化。ウィンダミア愛する人を歌で守りたい、けれど歌えば自分の命が尽きる、歌うのが怖い。ハヤテに好きと言ってもらえたのに、寿命の違いが心に引っかかって、好きと素直に言えない。

ウィンダミア人は寿命が30歳ということで同年齢の人間より精神年齢が上に感じる場面もあるのですが、とはいえフレイアはまだ15歳。15歳の女の子になんて酷な選択を強いるんだ公式……。と打ちのめされる自分にとって、ハヤテがフレイアに言った「歌わなくていい」の言葉は胸にきました。

マクロスといえばバルキリー・△関係・歌。その最大の命題ともいえる歌を「歌わなくていい」と言ったハヤテの優しさ、強さ(あるいは弱さ)がすごく普遍的な人らしいもののように見えて……。

フレイアは自身が言うようにワルキューレの一員です。ワルキューレという女神である以上、人々のために歌うべきです。でもハヤテにとってフレイアは女神である前に、命をかけても守りたい、たった一人の大切で大好きな女の子なんだなって思ったら叫びそうになりました。心がぐちゃぐちゃでどうにかなっちまう。

 

最期は、文字通り命を燃やして歌い尽くしたフレイアが風に召されてしまいます。

ウィンダミアを見下ろしながら白く結晶化したフレイアを腕に抱くハヤテ。このフレイアの真っ白い姿がまるで林檎の白い花みたいで、

「りんごの花はね、10日間しか咲かないんよ。それでもいいんかね?」

この台詞を思い出し、短命なフレイアとりんごを重ねた演出に喉が詰まりました。

りんごの花が咲いたら、そこから新たな果実が実ります。ハヤテとフレイアにとってYami_Q_rayの細胞から生まれた赤ん坊の女の子が新たな実り、そうして命が、歌が続いていく……。

と、ハヤフレ目線では盛り上がりあり、Cパートありでまとまっていました……が、フレイアが風に召されたのはひたすらに悲しい。正直風の歌い手の細胞で結晶化を治せるご都合展開でも良かった。でもそれをしてしまうと命がけで歌うフレイアの覚悟や、彼女の覚悟を受け止めたハヤテの気持ちも台無しになってしまうのも分かる。ここでウィンダミア人の結晶化を否定する展開はそれまでの二人の心の触れ合いを無にするのも分かる。でも悲しい。とにかく悲しい。

物語展開における細かい違和感や納得できない部分、全体シナリオのちぐはぐさもあったけど、個人的にハヤテとフレイアに照準を合わせた映画として引き込まれたので良かったです。悲しいけど。

 

 

どうしても内容に翻弄されるけど、画の力強さと音楽の迫力、演者さんの演技・歌唱が最高でした。

「唇の凍傷」ライブシーンの斬新さ、バルキリーマクロス艦の戦闘シーンの迫力。さらにマックスを登場させることで随所に散りばめられた初代の要素が純粋に楽しくて興奮しました。

演者さんの演技と歌唱で「命」が吹き込まれたキャラクター達を見られるのは幸せだな、とも。すぐそこに生きたキャラクターを見させてもらいました。喜びも悲しみも、歌も笑い声も涙も、そこにいた。すべてが生きていました。パンフレットを読んでよりいっそう思います。

 

見る人によっていろんな意見・感想がある映画だと思いますが私は初日に映画館で見られて良かったです。制作スタッフの皆さん、ありがとうございました。