蒼穹のファフナーTHE BEYOND 7~9話の感想

蒼穹のファフナーTHE BEYONDの7~9話を見てきたので感想を殴り書きしていきます。

まだ見てない方はネタバレに注意。

主に真壁一騎へのお気持ち。後半は第二次L計画に感じたもやもやなので注意。

 

 

 


まず、来主操くん生き残ってくれてありがとう。

容子さんからこれ以上子どもを奪わないでくれてありがとう。

でも操はミールですからいずれ「容子さんの息子である操」は消えて、また新しい操になるんですよね。

それって容子さんにとって苦しすぎません?

子どもの死と再生を繰り返し繰り返しになるんですよ?

やめてあげて………。

 

 

 

見終わって一発目に浮かんだ言葉は「一騎くんを人間にかえして……」でした。

 

真壁一騎くんが人間を超越したのは今にはじまったものではありませんが、7話「帰らぬ人となりて」で絶望的な状況をどう切り抜けるのかと思ったらここぞとばかりに真壁一騎という英雄の登場ですよ。

エインヘリアル・モデルをザルヴァートルに変えちゃうんですよ。最高峰のエスペラントの1人のマリスがその強大な力をミールと勘違いする程の機体(もしくは一騎本人)になっちゃうんですよ。

一騎が叫びながら機体をマーク・アレスに変えるのを見ている間、私の頭の中では14才の一騎くんが浮かんでは消え、消えては浮かんできました。

不器用な父親に料理を作ってあげて、学校に通い、ご飯を食べて、寝て、友だちとの関係に苦悩し、灯りに背を向けながらも心の片隅でその灯りに焦がれていた一騎くん。

人として生まれ人として育った一騎くん。

そんな一騎くんがここまで来てしまったことが切なかった。ここまでの存在に成り得る可能性を持っているのも切なかった。

敵が去った後に一騎の意識は存在と無の地平線を越えるように落ちていきます。甲洋と操がまだそちらに行ってはいけないと引き留め「存在する側」に戻るものの、先に地平線を越えた(大人)総士の幻影を見つめる一騎くんの目があまりにもさみしくて……。

総士にも一騎にも地平線を越えてほしくはない、けれど、もう楽になってほしいという気持ちもぬぐい切れないんですよ。

マーク・アレスがいなければ今後の戦いを乗り切るのは難しいでしょう。竜宮島どころか人類にはまだ真壁一騎の力が必要です。そして戦い続けることを選んだのも一騎自身の意思です。

全部分かったうえで、もう眠ってもいい、解放されてほしいと思ってしまいますね。アレス登場時の真矢が「一騎くん」と呟くのも、分かりすぎて……。

 

第8話「遺されしを伝え」で一騎が生家で父親の史彦と話してる間に真矢が来て、千鶴さんのことを話すじゃないですか。あの時、一騎もその場にいるのに一切出てこないんですよ。声はおろか表情すら映らない。すべてが終わってからちょこっと映る。

あれって一騎はもう人間の輪からは外れてるってことなのかなって、そう思うとしんどすぎて暴れそうでした。

 

 

第8話「第二次L計画」はちょっとモヤってます。竜宮島の動向が敵に筒抜けなので仕方ないんですけど、タイトルにまで持ってきた作戦があっという間に失敗して1話分の尺で済まされたのがなんとも。BEYOND全体の尺を考えてのことだろうとは思いますが、L計画と銘打ちながらこんな感じなのか……。

多分、RoLの対比としてのL計画だったのかな。

美三香と零央のシーンは特に僚と祐未のセルフオマージュで、蒼穹のファフナーという物語は確実に前進しているのを示していたのでしょうか。

うーん、でもあのマリンスノーはRoLのものなので、美三香と零央にはまた別の流れによる生存を見たかった欲があります。BEYONDだからこそ、ここまで辿り着いたからこその生存への活路が見たかった。みかみかとレオちゃん好きだからあの二人にしかない展開を見たかった。

EXODUSで感じていた興奮がBEYONDではあんまり感じられないのは、私自身のものの見方が変わったからなんでしょうか。

 

モヤモヤしつつも次もしっかり映画館で見たいと思います。

 

蒼穹のファフナーTHE BEYOND 6話『その傍らに』感想

蒼穹のファフナーTHE BEYOND 46話を見て、来主操と羽佐間容子のやり取りに驚きと衝撃を受けた感想です。ガッツリネタバレありますので注意。





海神島に戻って早々、当たり前のように羽佐間家に帰り容子さん(人間)を「おかあさん!」と呼ぶ操(フェストゥム生まれ現エレメント)、死ぬほど驚いた。同時に、容子さんが再び母親として子どもを育てる()器となった運命に泣いた。



EXODUSで操がマークドライツェンに搭乗して容子さんと会話するシーンを見てから、この展開は薄々予感していたものの実際に見せられると目玉が溢れるぐらい驚いた。だって、操は見た目がどれだけ人間でエレメントであろうと、フェストゥムから生まれた存在なわけで。そんな彼をEXODUSからBEYONDの間に「お母さん」と呼ばれるに至るって。容子さん、続けて2人も子どもを失っているのに、また子を育てるって因果すぎません?


そしてBEYOND 6話『その傍らに』。ブルクでドライツェンの大破した未来を予見した操と容子さんのやり取り。

「お母さん、僕もうすぐ死ぬみたい」

「お母さんを選んでよかった。だってお母さんは子どもが死ぬことに慣れてるでしょ?」

「僕が死んだら2人と同じように僕を飾って」(セリフうろ覚え)

いやおまえ、よりにもよって容子さんになんてこと言うんだ!甲洋もあきれてるでしょ!!

純粋に2代目操が早くも死んでしまう悲しみと、容子さんに対する発言に対する怒りと、そしてフェストゥムである操が「自分の存在を忘れないで」と言外に願っている事に、人とフェストゥムの対話の一つの答えを見た気がしました。


操は、あえて容子さんを母親に選んだんですよね。それは何故か?操の言葉を借りれば、容子さんは子どもを失う事に慣れている。容子さんなら、自分の血の繋がらない子どもでも、その死を悼んで写真を飾り、存在を忘れないでいてくれる。それを知ってるから操は容子さんを自分のお母さんに選んだ。操は容子さんに、自分も翔子やカノンにしたように、そうしてほしいと願った。


存在が無に還ることの恐怖を感じるフェストゥムから、一歩進んで、操は「自分の死を悼んでほしい」「僕がここにいた事を忘れないほしい」という弔いの気持ちを持ったという事ですよね。それってすごく人間らしい心じゃないですか?生と死という生物の大枠からさらに進んで、人間だけが持つ『死への弔い』という概念をフェストゥムが獲得した。かつて芹ちゃんがフェストゥムのお墓を作った事が、来主操で遂に実を結びつつある。


もうなんというか、15年の作品の歩みの足跡をはっきりと感じて胸が詰まりました。そしてその後、操が美羽ちゃんとの会話を経て、ボレアリオスで座り込んで涙を流す様子も衝撃でした。

「美羽を食べていい?」

「僕が死ぬとお母さんが悲しむんだ」

「ごめんなさい。1人で死ぬよ」(セリフうろ覚え)

操は1人で逝く事の孤独や、自分の避けられぬ死によって母親を悲しませる事への悔しさ、自分の存在が終わることへの恐怖。いろいろなことを感じていたのかもしれない。それに対して一騎が。

「おまえが逝く時は俺たちがそばにいる」

EXODUSの最後に存在と無の地平線から一騎を救いあげた操を、今度は一騎が見送る。そんなの泣いてしまう。


つまりとにかく、フェストゥムである操が自分の存在を忘れないでほしいという、蒼穹のファフナーの核心に迫った事が衝撃であり、祝福なんだなと思ったという感想でした。お願いだから、これ以上容子さんから子どもを奪わないで…。

ミュージカル「スタミュ」スピンオフ team柊 単独レビュー公演「Caribbean Groove」感想


ミュージカル「スタミュ」スピンオフ

team柊 単独レビュー公演「Caribbean Groove」観劇してきました。4月27日15時公演、追加で初日です。

以下、気持ち程度のネタバレ含む感想なのでお気をつけください。散文です。ちなみに、スタミュはテレビ放送は全話見て、ドラマCDやOVA媒体はちょこちょこ。スタミュミュは前回の公演を配信で少し見ました。なので、生スタミュミュは初めて。




いや〜、単独レビュー公演ってなんぞや?って思って見に行ったら、テニミュで言うドリライ要素を入れた公演って感じでした。歌がメイン、劇パートを挟みつつ、スクリーン映像で補完。なるほど、こんな形のミュージカルもあるのね。

スタミュという作品自体がミュージカルを取り扱った作品なので、ミュージカル化すると、より歌と踊りの魅力が引き出されるなと。2.5次元って3次元の表現が難しいじゃないですか。そこをどう料理するのかも楽しみの一つ。でも、スタミュはもう、純粋にミュージカルに仕上げられる。表現に縛りが無い、ミュージカルの手法をスマートに使えるというか。ジャケットプレイあり、椅子やジョッキを使ったダンスはまさにミュージカル!2.5次元というより、2.8次元ぐらいまで再現してもらえた気分でした。


内容は概ね、チーム柊の代表曲であるカリグルをそのままミュージカルで演じてました。アニメ視聴の時に、どんな海賊劇なんだろ、なんて疑問を感じてたのでその点スッキリ。そのカリグルの内容に、アニメスタミュのキャラソン、BGMをドドーン!とふんだんに使って、ファンにはたまらない構成でした。

あらすじ紹介→カリグル歌→劇パート→からのキラメキラ。キラメキラのイントロ流れて、会場の空気がドワっと上がりました。あれ、まさかソロ新曲に加えて、キャラソンも歌ってくれるの?!みたいな。怒涛のキャラソン&ソロ新曲を交えたストーリー構成、良かったです。チーム柊好きの為の、ご褒美みたいな流れでした。

キラメキラ→戌ソロ→卯ソロ→ハニトラ→虎ソロ→エレガンス→申ソロ→辰ソロ。だったかな?間違えてたらすみません。ソロ新曲はカリグルのそれぞれのキャラクターに沿った内容で、これぞミュージカル。個人的に、どこか2000年代頭のアニメソングの空気を感じるんですけども、そこが刺さった。

カリグル公演が終わると、柊先輩が登場して指導者として誇らしいってセリフ、ジーンときました。なにより突然柊先輩が現れて悲鳴上げました。嬉しいサプライズありがとうございます。スターオブスター、カメレオンスター、StarshipRunwayまで盛り盛りもりだくさん。チーム柊の大盤振る舞い!!最高!!


虎石ハニトラの時、ラスサビ前のあそこを、完全無音からの少しためて「好きだよ」。会場の悲鳴、一瞬で会場の子猫ちゃん達ノックアウト。エレガンスのイントロで両脇の女の子が泣いてました。ですよね、真っ白い衣装を着て2人で背中に合わせに歌う辰己と申渡、尊いですよね。卯川の前に膝をつく戌峰良いですよね、身長差が。

舞浜アンフィシアター初だったんですけど、舞台のギミック多彩で感動でした。炎が噴き出したり、床が開閉したり、回転したり。

あとあと、辰己から溢れるカリスマEXやばかったです。センターに来た時の圧倒的存在感、指先までキレッキレのダンス。攻撃力アップ無敵貫通バフだこれ。


公演時間が1時間30分?ほどだったので、歌が盛りだくさんで飽きることなく見れました。


激情のワルキューレ~ゆりかごから墓場までメサカナ

1週間ぐらい前に見た劇場版マクロスΔ激情のワルキューレの感想を書きたくてブログ始めました。がっつりネタバレかつほとんどメサカナです。


 

マクロスはフロンティアから入って、マクロス2を全話見て、7と初代とをかじった程度の知識です。Δの放送が始まった時に見るか悩んだんだけど、Fの劇場版で打ちのめされた私は好きになった女の子が振られるのが怖くて見ませんでした。そうです、ランカ・リーは私の生涯の押しです。
アニメ放送が終わり、友人に勧められ、映画館に見に行こうと決心。フレイアちゃんがワルキューレの中では推しかなあ~、ぐらいに見に行って終わった後はもうメサカナのことしか考えられなくなってました。アニメよりもメサカナの演出が増えていたりしていたようで。あまりにも尊い。以下はほとんどメサカナについてです。
 

メッサーくんというパイロットと、ワルキューレリーダーのかカナメさんのカップリングが爆発的に人気なのは知っていたけど、いやあ、実物はすごかった。
激情のワルキューレ、メサカナを見事に始まりから完結まで見せつけてきた。メッサーくんがどうしてカナメさんに想いを寄せるようになったのか、カナメさんはどうやってその気持ちに応えていくのか。スタートからゴールまで丁寧な描写。
カナメさんはワルキューレのリーダーかつ年長者だから、メンバーを身を呈して庇う・守る描写がちりばめられていて、そこだけでカナメさんがいかに愛情深い人か分かった。そして、そんなカナメさんの元に1番に駆けつけて守るのはメッサーくん。この時点で「ああ、公式がメサカナを押している」っていうのをビシビシ感じる。映画を見る前は、アラドカナメメッサーがトライアングルだって聞いていたからアラカナも良くない?って思ってました。でも、アラド隊長はカナメさんと同じくリーダーとしてデルタ小隊を守る責任がある→カナメさんを真っ先に守ることは出来ないんですね。じゃあ誰がカナメさんを守るのか?メッサーくん、君しかいない。カナメさんがワルキューレのみんなを守る時、カナメさんを守れるのはメッサーくんなんだ…うっ、あまりにも尊い
そしてこの2人、あまりにも清い。メッサーくんにとってのオンリーワンは命を救ってくれたカナメさん。カナメさんにとってのナンバーワンは一番に飛んで来てくれるメッサーくん。それなのに2人の関係は1対1じゃない。2人の後ろにはいつだって仲間がいる。AXIAの場面での「歌ってくれ、カナメさん」は「俺のために歌ってくれ」じゃなくて「俺たちみんなのために、歌ってくれ」であり、「飛んで、メッサーくん」は「私のために飛んで」じゃなくて「私たちのために飛んで、メッサーくん」なのかと解釈しました。清い、あまりにも清い。独りきりじゃ生きられないし、2人だけでも飛べないカップリングなんですねメサカナは!ここがメサカナ好きの揺りかごで墓場か。
遺跡で誘拐された後、ワルキューレを助けに来たハヤテがメッサー機に乗ってきたのもしんどかった。壁が崩れて空が開き、フレイアを体を張って守るカナメさんの前に死神のエンブレムが表れて「メッサーくん…?」と呟くカナメさん。死んでなお、メッサーくんはカナメさんを守ってるってどれだけ一途なんですか…尊い…。
そして物語の終盤はクラゲを見送り歌って終わるって、これでもかとメサカナな映画でした。ありがとうございました。Δの作品自体も楽しめました。話を聞くに、主人公のハヤテ・インメルマンがアニメよりも丸くなってるとの事で。良かった。